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共同事業である沿岸警備隊に参加しており、沿岸警備隊と協力して、北海のオランダ領域を上空から巡回監視している。その主な目的は船舶や採掘プラットフォームからの油の流出や排出の発兄であり、流出油事故が報告されると、その除去のために北海局が所有する油回収船Sma1Agt号を出動させる。さらに、大規模な流出油事故の場合には他の油回収船も動員することになる。
これとは別に、北海局は、海上での災害防止活動も行っており、これには紛失した積み荷の発見や船やその有害な積み荷の引き揚げなどがある。また、海洋環境を保護するために、北海の汚染状態の調査及び海洋動植物群の状況調査を実施する等の研究を行っており、さらに海洋環境を保護し改善するためのPo1i・yPlanを企画立案している。
そのほか、北海局は、北海の汚染防止に責任がある数々の国際的諮間機関に参加し、諸国間の協議にあたっている。
なお、北海局は北海に関わる唯一の機関ではなく、北海をその活動領域としている組織や機関と協力しながら任務を遂行している。これら協力機関には、オランダ水路協会(NHI)、国立漁業研究協会(RIVO)、The Programme Directed Ecological Research North Sea (BEON)などがある。
北海における大規模な災害や事故の場合には、統合本部を管轄するオランダ運輸公共事業省の最高責任者が必要な決定を行うが、作業の調整、実施は常にCGCの責任下にある。また、北海で重大な事故または災害が起こった場合には関係各省が対策チームを作って、最高レベルでの必要な決定を下す。しかし、活動の調整はCGCの責任事項であって、必要があればここに専門知識が提供される。
沿岸警備隊は沿岸警備隊に参画する省庁に所属している船舶、航空機を使ってその任務に当たる。
なお、沿岸警備隊は、事故が発生した場合、オランダ海軍、オランダ空軍及びロイヤルオランダ救助サービスのような民間機関に所属する船舶や航空機を依頼することができる。
○オランダにおける流出油の防除担当行政機関(流出油の量と場所で担当する機関が異る。)
北海 (運輸省)
海岸(5m3以上) (運輸省)
海岸(5m3以下) (地方自治体)
河川 (運輸省)
川岸 (運輸省)
運河 (郡)
海港 (地方自治体)
内水港 (地方自治体)
3.防除対応の方針と戦略
防除の目標は、3日間の作業で最大30,000トンの油回収である。
防除対応は北海局の任務であり、迅速な行動を基本にしている。
目標の数値は、油タンカーが衝突または座礁した場合、技術的に起りうるであろう流れ出る油

 

 

 

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